第1回「演屋祭」は2020年9月〜2021年2月にかけて、佐賀県がコロナ禍における文化芸術支援として展開していた「LiveS Beyond(ライブスビヨンド)」と共催で開催しました。招待作品として、ドローンで撮影した唐津の海の魅力を伝える映像、曳山の修復の模様や唐津古里映画『花筐/HANAGATAMI』のドキュメンタリーなど、地元クリエイターたちと、様々な映像作品を制作しました。
さらに、クリエイター育成支援として全国からショートムービーの作品を公募し、顕彰するアワードを実施。全国から40以上の珠玉の作品が集まり、素晴らしい作品の数々が入賞を果たしました。
総評
映画館「THEATER ENYA」初のアワード開催にも関わらず、全国から多彩で素晴らしい作品を皆様からご応募いただいたことに、まずは感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
第1回の募集テーマは、「希望」「唐津」「佐賀」でした。地元を発信する映像はもとより、コロナ渦の時代だからこそ紡ぎだされた発想や感性が反映された作品が多く見受けられ、大変興味深く審査をさせていただきました。
金賞を受賞した『ヴィスコンティに会いたくて』は、野太く力強い作品で、映像、音楽、脚本、演技等の様々な芸術性において、大変丁寧に情熱をもって取り組まれており、その内容も素晴らしく金賞の受賞となりました。
次に『BEFORE / AFTER』は、コロナというテーマと真っ向から向き合った一人劇を中心にした映像ですが、深いメッセ―ジ性を持ちながらも軽快で、また一つの場所、一人の演者で構成されているにもかかわらず、観るものを引き付け楽しませるエンターテインメント性を評価し銀賞となりました。銅賞は、地元の高校生(当時は中学生)による唐津で撮影された作品ですが、粗削りで様々な改善点はあるものの、作品全体にキラリと光る宝石の原石のような可能性を感じ、彼の未来に期待し銅賞とさせていただきました。
その他にも素晴らしい作品が多く応募いただき、それらを世の中に知ってもらい、また映画祭でも是非上映したいという思いから、もともと設置していなかった「入選」という制度を導入し、作品を選定しました。
最後に、今回のアワードでは、コロナ禍の情勢においても変わらぬクリエイターの皆様の創造意欲に触れ、これからの映像文化の未来への「希望」を感じることができ、主催者である私達も大変勇気付けられました。改めまして応募いただいた皆様の熱意と努力に感謝申し上げます。