1945年、太平洋戦争末期の伊江島で米軍が侵攻し、島は壊滅状態に。沖縄出身の新兵・安慶名セイジュンは母の安否を確かめる中で戦火に巻き込まれ、宮崎から来た少尉・山下一雄と合流。二人は大ガジュマルの樹上に身を潜め、孤立無援の中で恐怖と飢えに耐える日々を送る。性格の合わない二人だが、次第に心を通わせていき、山下は安慶名に息子の面影を重ねるようになる。やがて敗戦後もそれを知らず、彼らの“孤独な戦争”は続いていく。

1945年、沖縄県伊江島での激戦中、2人の日本兵が敗戦を知らずガジュマルの樹上で2年間生き延びた実話を基に、井上ひさしが生前に構想した物語が蓬莱竜太と栗山民也により舞台化された「木の上の軍隊」。沖縄戦の悲劇をユーモアを交えて描いたこの作品が、終戦80年を迎える今、映画化される。

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