演屋祭

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<第2回演屋祭5月3日>1日目レポート

<第2回 演屋祭>は、GAZEBO監督短編映画2作品上映&ティーチインでスタート。GAZEBO監督は昨年の第1回演屋祭に公募作品のクリエイターとしてご参加いただき見事銀賞を受賞。「おかえりなさい」、そんなあたたかい雰囲気の中、映画祭の幕が開けました。

第1部GAZEBO監督上映特集

上映作品は 第1回演屋祭で銀賞を受賞した『BEFORE/AFTER』と、京都国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー2021 グランプリ 他多数受賞の新作『AIM』

GAZEBO / 映像ディレクター】
1978年・静岡県生まれ東京都在住。大学在籍時に8ミリフィルムで自主映画を撮り始める。卒業後 助監督・美術塗装スタッフ・制作などを経て、現在は広告映像・MVなどの演出として活動。好きなものは大滝詠一・藤子不二雄・深夜アニメ・深夜ラジオ。短編映画監督作品「ラブ・コネクト」「Vtuber渚」「BEFORE/AFTER」「AIM」

凱旋上映となった、GAZEBO監督。最新作の『AIM』は、日本ではまだ比較的少ない「プロのゲーマー」の皆さんを取材するなかで、ゲームは武道と同じく「道」である競技であると感じたそうです。そんな中、日本では特に自分の親世代以上の世代が持っているゲームへのネガティブなイメージが強いと感じ、そこに一石をと投じることができないかという視点から脚本制作に取り組みました。
GAZEBO監督自身はあまりゲームをしないことから、「このゲーム描写は嘘だ」と思われないリアリティの追求するため、実際に俳優らとその現場に通い、実際に見聞きしたことをもとに演出を手掛けたそうです。

ティーチインには演屋祭ゲスト審査員 映画プロデューサーの浅野博貴さんにもご登壇いただきました。
浅野博貴 / 映画プロデューサー】
1949年生まれ。映画プロデューサーとして、『モルエラニの霧の中』『赤い雪 Red Snow』『菊とギロチン』『64 ロクヨン 前後編』『夕方のおともだち』『ホテルアイリス』など、数多くの作品を手掛ける。また、芸能プロダクションおよび映画の配給も行うT-artist(ティー・アーティスト)の代表も務める。

浅野プロデューサーはGAZEBO監督独特の映像製作の工夫から観ている人が引き込まれる、とそれぞれの作品を評価されていました。そして、今後長編映画の製作に意欲を持たれているGAZEBO監督へ「脚本が長編映画の良し悪しを決める。いい脚本に出会って、それに向かって頑張ってほしい。また短編映画の経験は絶対に活きる。長編映画の合間にも短編映画を作ってほしい。」とエールを送られました。
私達もGAZEBO監督がいつかシアター・エンヤに長編映画を届けてくれるのを楽しみにしています。

第2部今泉力哉監督特集上映

午後は、今泉力哉監督特集上映&ティーチインを開催しました。前半は、短編映画『赤青緑』(24分、2017年)、『nico』(63分、2012年)2作品を上映しました。共に、商業映画デビュー後に監督自身が手掛けた短編自主映画です。

今泉力哉 / 映画監督】
1981年福島県生まれ。2010年『たまの映画』で商業監督デビュー。主な作品に『愛がなんだ』(19)、『アイネクライネナハトムジーク』(19)、『his』(20)など。2021年は『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』と3作品を立て続けに公開。また、キングオブコント2021のオープニング映像を手がけるなど、映画以外にも活躍の場を広げている。最新作は城定秀夫監督とのコラボ映画『猫は逃げた』。

『赤青緑』は映画監督 二宮健さんを中心にスタートした映画上映企画「SHINPA」の東京国際映画祭プログラムで撮りおろされた作品です。家族という関係性でしか撮ることができない、その瞬間しか撮れない、二度と撮ることができない映像をi-phonで撮影されたそうです。編集の際に、「GEZAN」マヒトゥ・ザ・ピーポーさんの音楽をエンディングに入れることで、記録をよりエモーショナルに伝えることができていると話されました。

『nico』は、無差別殺人の自主映画を製作する群像劇の話です。平波亘さんやヤング・ポールさんなど、実際に映画の製作に携わる人たちが劇中で演じることにより、映像のリアリティが出ているとのこと。実際、アドリブの台詞も多く、自分の脚本より面白くて嫉妬した、という裏話も。今泉監督の初期の自主映画作品から、最近の商業映画まで一貫して出演されている俳優・芹澤興人さんについて、今泉監督は、「芹澤興人さんと山下敦弘監督、この2人に出会わなければ、今自分が映画を撮り続けていることはできていない。芹澤さんは労苦を共にした盟友のような存在だ」と語ってくれました。

GAZEBO監督から「このような緻密なストーリーをどのように書き上げるのか」と質問に対して、今泉監督は『nico』は撮影まで全く書きあがっていなかったこと、この映画はロケハンもろくにできないまま撮影されたこと、今泉監督オリジナルで書く脚本についてはただの下地としてしか考えておらず、その場で生まれるいろんな事からアイデアを足していくこと、その方が絶対面白い脚本になると考えていて、だからいつも現場で何か起きないか期待していることをお伝えになられました。

短編上映の後は、全国でロングランのヒット作品となった長編作品『愛がなんだ』(123分、2018年)を上映。

その後のティーチインでは、キャストの成田凌さんは以前から今泉監督の友人だったそうで、ようやく一緒に映画が作れたこと、また主演・岸井ゆきのさんの演技については、『テルコが「ただ不幸な、痛いだけの女性」にならないように演出を工夫し、実際に女性を中心に多くの共感を生むことができたのは彼女の演技のセンスも大きい、と評されていました。

その他、テル子をはじめ様々な登場人物が手にしているアルコールは、登場人物の性格を意識して手にするお酒の種類や銘柄を選んでいるお話や、江口のりこさん演じるすみれの衣装は、黒柳徹子さんの1970年代のファッションを参考にしているという話で盛り上がりました。挙手をした観客の方の中には、「この映画ですごく救われた。今日はお礼を伝えに監督に会いに来た」とおっしゃる方も。山口県、長崎県、福岡県などから、今回の上映会に足を運んでくださった観客の方もいらっしゃいました。

終映後には今泉監督によるサイン会を行いました。

そうして、演屋祭初日は幕を下ろしました。

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