窓拭き清掃員として働く33歳のジョンは、4歳の息子マイケルと二人で暮らすシングルファーザー。妻はマイケルが生後間もない頃に家を出て行ってしまい、頼れる身内もいない彼は男手ひとつで息子を育てている。子育てに家事、そして仕事に追われ忙しい日々を送っているが、彼には息子に打ち明けていない秘密がある。それは、自分の余命が残りわずかであるということだった。母親には見捨てられ、父親も亡くなればこの子は家族を失ってしまう─死を理解するには幼すぎる優しく純粋無垢な一人息子を守るため、彼は養子縁組の手続きを行い、自分が亡くなった後に息子と一緒に暮らす“新しい親”を探し始めるのだった。

世界中の映画祭で絶賛され、日本でもロングランヒットした『おみおくりの作法』（13）の名匠ウベルト・パゾリーニ監督の待望の最新作。人は誰でも、他者との関わりなしには生きられない。人生の終焉を迎えた父親は、自分が消えた後の世界で、息子に何を遺そうとするのか？静寂に包まれた、たったふたりだけの家族にラストで訪れる“特別な存在”とは─。その本当に意味に気づいたとき、私たちの胸には、決して忘れることのできない“希望の物語”が刻まれるだろう。

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