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2022.12.10(土)
からつ日曜市「第1回シアターエンヤ文化祭」レポート!!
平素よりシアターエンヤをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
唐津くんちで知られる商店街で、日曜日に不定期でマルシェやイベントを開催する<からつ日曜市>が12月4日(日)に開催されました。今回は、呉服町商店街、中町商店街、KARAEが参加。そして、KARAE1階にある映画館シアターエンヤでは、「第1回シアターエンヤ 文化祭~唐津のカルチャーシーンで活躍する皆の発表会~」を開催しました!
唐津市のケーブルテレビ会社・株式会社ぴ~ぷるが制作し、第48回日本ケーブルテレビ大賞番組アワードで「NHK WORLD-JAPAN賞」とコンペティション部門の奨励賞を受賞した『島の未来を守るために 海のサムライの挑戦』他2作品の上映&ティーチインや、早稲田佐賀高校生バンド「Emotional Splash」の生ライブを実施しました。
●10:00~12:30
『島の未来を守るために 海のサムライの挑戦』他2作品上映&ティーチイン
1作目は『里山再生へ~次世代に受け継がれた村~』(30分)を上映。人口減少・高齢化が深刻化する唐津市七山で、この状況に歯止めをかけようと地元の若手有志で組織する「七山むらづくり協議会」と、地域おこし協力隊として福岡から移住してきた野田宗作さんと早百合さん夫婦の姿に密着したドキュメンタリーです。上映後は、野田宗作(のだ・しゅうさく)さん、「NPO法人七山むらづくり協議会」理事長の岡本泰成(おかもと・たいせい)さん、制作された株式会社ぴ~ぷるの吉原浩平(よしはら・こうへい)さんにご登場いただき、お話しを伺いしました。
▼(左から)野田さん、岡本さん、吉原さん
元々野田さん達の存在をご存じだったと言う吉原さん。以前から「移住者を取材したい」という想いがあり、野田さんへの取材を進める中で、岡本さんと出会いました。そこで、野田さんご夫婦と「七山むらづくり協議会」を中心とした番組を作ろうと思ったとのことです。
岡本さんに番組が放送された時の反響を聞くと、七山の方達が七山の良さを再確認するきっかけになり、更に、自分たちの活動や情報発信についても知っていただくことができて良かった、と話されました。野田さんは、番組をご覧になった七山地区以外の方から声を掛けられることが増えたと言い、奥様は「あ!テレビの人!」と言われたり、応援の言葉を頂くようになったとのことで、本当にありがたいなと話されました。
今後の目標を伺うと、関係人口を増やすために、まずは道連れ出来る人を探している最中と話される岡本さん。今はそのための環境整備の途中で、住民の生活などもっと難しい課題にも取り組み、行政としっかり取り組んでいきたいと熱く語られました。野田さんは、岡本さん始め地元の方がされている地域活性化を知らない地元の方もいるので、私達がSNSや地域新聞「ななやま新聞」で発信していくことで知ってもらいたいと思いますと、穏やかに、そして芯のあるお言葉で語られました。
続いては、『なつかし商店~想い出の店は今も現役~』(38分50秒)を上映。地域にひっそりと、だけど昔のままの商品や商売のスタイルを守りながら、地域の人や根強いファンに長年愛され続ける店にスポットを当てたドキュメンタリーです。古いけど今も現役な「なつかし商店」の日々や、長く愛される秘訣、店主の人となりやお客様との交流や思いを探りながら、エールを送ります。今回は「松浦たこやき」と「唐津模型店」を紹介。上映後は、制作された株式会社ぴ~ぷるの亀井信一(かめい・しんいち)さんと辻美由紀(つじ・みゆき)さんにお話しを伺いました。
▼(左から)辻さん、亀山さん
新しいお店や話題のお店を紹介することが多い中、昔からあるお店がどうやって営まれているかが気になり、大人もなつかしいお店として紹介したいという想いが制作に繋がったと話される亀井さん。昔からのお客様だけではなく、子ども達や新しいお客様も訪れている姿を見ると、人と人とが繋がっていることが実感でき、嬉しくなるとのことです。辻さんは、小学生の頃から「松浦たこ焼き屋」を利用されていたようで、今回取材が実現して嬉しかったとのこと。味や雰囲気は昔から変わらないが、値上がりしてもお客様が来続けていることは、長く愛されていることですね、としみじみ話されました。取材は2店舗共1日とのことでしたが、突然の取材にも関わらず、多くのお客様が快く取材に応じてくださったようで、お店の応援団として、一人一人のお客様からお店への愛が画面からも伝わってきました。
最後は、第48回日本ケーブルテレビ大賞番組アワードで「NHK WORLD-JAPAN賞」とコンペティション部門の奨励賞を受賞した『島の未来を守るために 海のサムライの挑戦』(33分)の上映。唐津市の離島・松島で海士漁を営む若者たちの奮闘を描いたドキュメンタリーです。温暖化の影響で漁獲量が減少する島に新たな産業を創出しようと、グランピングの構想を打ち出した宗秀明さんに3年にわたり密着し、島の未来を守るために何が必要か、島で生きていくために何をやらなければならないのか、その葛藤を映像に納めています。上映後は、ご出演のIsland MATSUSHIMA 代表・宗秀明(そう・ひであき)さん、制作された株式会社ぴ~ぷるの田中直也(たなか・なおや)さんにお話しを伺いました。
▼(左から)宗さん、田中さん
2019年から宗さんに密着されていた田中さん。松島にグランピングを作るとのことで、当初は情報番組だけで取り上げる予定だったとのこと。ただ、宗さんや島の若者たち、宗さんのお父様にインタビューをしていくうちに宗さん達が島の未来について真摯に考えている姿に感銘を受け、情報番組で取り上げるのではなく、きちんと特集番組として制作することを決めたと話されました。子どもの頃から漁をするお父様の姿に憧れ、将来はご自身もお父様のように海士漁を営もうと思われた宗さん。3年間は唐津で働かれていましたが、島に戻って漁をする、という想いは消えませんでした。田中さんは、宗さんのお父様の「これからは、島の若者たちに支えてもらわないといけない」という言葉がとても自然で、人間のあるべき姿なのではないかと、島の存続のために持続可能な社会の実現を表現したいと思われたようです。
島を元気にしたい、この先もこの島で暮らしていきたい、そしてこれから先は漁業だけに頼ってはいけない、と思いグランピングを始められた宗さん。宗さんのお兄様が営まれているレストランのお客様から「(松島で)泊まれる場所がほしい」との要望もあったようです。松島の大自然を活かしたグランピングの完成に向け、クラウドファンディングを実施したり、島の整備や申請など一つ一つ課題を乗り越えながら、やっと今年2022年7月にオープンしました。グランピングの名称はon the cliff(オン・ザ・クリフ)。グランピングを運営することで、島の女性たちの雇用創出に繋げたいとも話されました。今は海士漁があるためグランピングは休業中ですが、来年4月から営業を再開されるとのことです。
そして、本作は第48回日本ケーブルテレビ大賞番組アワードで「NHK WORLD-JAPAN賞」とコンペティション部門の奨励賞を受賞!当日は、田中さんが授賞式で授与された盾を持って来られました。また、12月4,5日NHK WORLD-JAPANで放送され、オンデマンドでも視聴できます。また、世界160か国に発信されることが決まっています。今でも信じられない気持ちと話される田中さん。受賞が分かった時はすぐに宗さんにもご連絡したとのことで、宗さんもとても喜ばれたようです。田中さんは受賞の喜びよりも、島の活性化の一役を担えたことが本当に嬉しく、それが私の喜びと仰っていたのが印象的です。
会場のお客様からの質問では、「(作中にも出て来た)海を休ませることは、海の改善に繋がっていますか?」「松島を真上から見たらハワイのマウイ島に似ているので、キャッチコピーとしてどうですか?」「本日拝見した3作品は地域の皆さんが頑張って自発的に発信されていますので、このことを唐津全体のこととして捉えて、これからも濃度の高い、いい作品を撮り続けてください。」といった様々な質問や感想が飛び交い、とても盛り上がりました。
田中さんから、今後は来年2023年4月のオープンに向けての島の方々の様子やIsland MATSUSHIMA の皆さんの成長、オープン以降に宿泊された方の印象を取材したいと話されました。島全体でもてなしている姿を一つの番組として作っていきたいとのことです。宗さんは、やっとスタートラインに立ったので、島民皆を引き込みながら運営していくことが本当のゴールだと思いますので頑張っていきます、と力強く語られました。
●14:00~
早稲田佐賀高校生バンド「Emotional Splash」生ライブ
「Emotional Splash(エモーショナル・スプラッシュ)」のメンバーは、ヴォーカル&ギター担当の三好涼大(みよし・りょうた)さん、ドラム担当の向谷佑馬(むかいだに・ゆうま)さん、ベース担当の野上璃久(のがみ・りく)さん、ギター担当の吉本真志(よしもと・まさし)さんの4人です。地元唐津出身から関東出身の学生で構成されています。早稲田佐賀を通して全国から集まった高校生が有志でバンドを組んで、邦楽&ロックの人気の楽曲のコピーを中心に演奏しています。
▼早稲田佐賀高校生バンド「Emotional Splash」のメンバー
まず披露されたのは「どろん」(King gnu)。パワフルな演奏に圧倒され、一気に会場全体の空気感が変わりました。そしてボーカル担当の三好さんからメンバー紹介があり、2曲目は大ヒット映画『君の名は。』の主題歌「前前前世」(RADWIMPS)。3曲目は、自分たちの心情に近い曲として選んだ「欲望に満ちた青年団」(ONE OK ROCK)をしっとりと聞かせます。ラストに、初の女性ボーカル曲に挑戦したという「花に亡霊」(ヨルシカ)を披露しライブは終了。となるはずでしたが、会場からのアンコールの声に応え、「インフェルノ」(Mrs green Apple)を力強く演奏し、大盛況の中「Emotional Splash」の生ライブは終了しました。
通常の映画上映とは一味違った今回の「シアターエンヤ文化祭」。私達スタッフにとっても刺激となる1日でした。
株式会社ぴ~ぷるの皆さまとご関係者の皆さま、早稲田佐賀高校生バンド「Emotional Splash」の皆さま、そしてご来場のお客様、イベントにご参加いただきありがとうございました。
▼THEATER ENYA事務局
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