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07 Interview
海の恵みに感謝し環境を守り、より良い食を届けるため新たな可能性を追求する―金子産業株式会社
今年で創業120年を迎え、唐津の人々の食を支える金子産業株式会社の代表取締役社長の木村知己さんにお話しを伺いました。まずは貴社の沿革について教えてください。
金子産業株式会社は1905年に長崎県で創業し、今年で創業120年を迎えます。1966年から唐津市にて水産加工業を開始、1987年には現在の妙見工業団地にて飼料工場を開設しました。1970年代から長崎県各所で、マダイ、ブリ 、ヒラメなどの養殖業や、その他飲食・娯楽など事業の多角化を進めた一方で、1999年にマグロの本格的な養殖を開始しました。その後、2012年にニッスイのグループ会社の一員となりました。
2016年には完全養殖マグロの生産体制を確立させ、2024年には、マグロの養殖を得意分野としていた西南水産株式会社と金子産業養殖部を統合。新会社『(株)ニッスイまぐろ』を設立し、『金子産業グループ』が誕生しました。
現在、金子産業グループは、従業員計500名ほどが在籍しています。養殖場は主に長崎県にありますが、加工や両社の本部機能は、唐津市に集約しているため、多くの従業員が唐津の出身者です。

唐津を拠点に、水産業の未来を創られているんですね。続いて、会社の経営方針についてお聞かせください。
ニッスイグループの一員として、ミッションで掲げている『人々により良い食をお届けしたい』という志を大切に、食の新しい可能性を追求しています。
創業から120年間、旋網(まきあみ)漁業を軸に周辺事業を発展させてきましたが、新金子産業グループは、養殖マグロ事業を核として、食品加工・冷凍冷蔵・養魚飼料等の周辺事業を強化・発展させていく長期ビジョンを描いています。それぞれのグループ会社が得意分野を活かしながらも、「マグロを核とした養殖総合企業になる」という目標をしっかりと共有し、有機的に連携し、一体となって活動することで、ニッスイグループのミッションを体現します 。
また、私達の事業は、海の恩恵のもとに成り立っています。海の恵みに感謝し、その資源を活用するとともに、環境を守り、持続的に恩恵を享受できるよう努めていきます。そして、ビジョンを 実現していくうえで、最も重要な財産は人材です。「明るく開かれた職場」を目指し、人材育成に取り組んでいます。
これらの取り組みを地道に積み重ねることで、会社の基本方針《①安全②品質③生産④利益》を堅持し、激動する事業環境の変化にも柔軟に対応できると考えています。

主な事業またはサービスを教えてください。
大きく「まぐろ 事業」「食品事業」「冷凍冷蔵事業」「飼料事業」の4事業で構成されています。
西日本の5府県に13のまぐろ養殖事業所と、マダイなどの種苗生産を行う種苗センターを有しています。グループ売上の約半分を占める中核の「まぐろ事業」は、日本の養殖マグロ生産量 約1万6千〜7千トンのうち、約3,500トンの約20%のシェアを占めています。当社のまぐろ養殖では、旋網(まきあみ)や一本釣りで天然種苗を確保し、各養殖場の生簀(いけす)で育成します 。餌はサバ、イワシ等の生餌類や、生態系への負担が小さいまぐろ用配合飼料を与えています。
次に、「食品事業」です。唐津に2つの工場をもち、第一工場は、自社養殖場で育った“本まぐろ”を毎日加工しています。また各地で水揚げされた新鮮なアジなどを冷凍生食製品に加工し、外食、量販店向けに出荷・販売しています。回転寿司のチェーン店で提供されるアジの寿司ネタは、当社がトップシェアを誇っています。第二工場では、あじフライや揚げナス等の加熱品を中心に、当社独自の生産ラインを確立しています。
「冷凍冷蔵事業」では、各地から仕入れた鮮魚を、大中小の3サイズ に選別した後、およそ18時間かけて凍結します。また15㎏ブロック状の凍結製品も生産、日本各地や世界へ加工・餌料用として販売します。冷凍サバは海外の工場へ届けられ、現地でサバ缶に加工され、日本や世界で販売されています。
最後に「飼料事業」では、ブリ、トラフグ、マダイ、ハマチ、まぐろなどの多様な魚種向け飼料を生産し、自社養殖場をはじめ長崎県・熊本県を中心に九州各地のお客様へ供給しています。なかでも、当社の中核をなすまぐろ養殖用飼料は最も得意とする分野です。

貴社では持続可能な水産業を目指してSDGsへの取り組みも積極的に行われています。そのことについて詳しく教えてください。
自然の恵みを受けて事業を営む企業として、自然を守り、環境への負荷をできる限り減らすことを重要な使命と考えています。その一環として、これまで養殖場で使用していたナイロンカバーの発泡スチロール製フロート約1万個を、海洋流出リスクの低い素材へと切り替えました。また、食品リサイクル法に基づく食品廃棄物の「抑制」「再生利用」に取り組むと共に、ニッスイグループ全体の掲げる「CO2排出削減」「水使用量の削減」「ゼロエミッション」などを達成すべく、既に大型冷凍機の自然冷媒への切替え、太陽光発電の導入などを進めています。
また、お客様に対する信頼獲得として、2017年から開始した、食品安全に関する国際規格ISO22000の取り組みは、2020年までに全ての事業所(養殖・冷凍冷蔵・食品・飼料・管理)で取得し、全社挙げて「食の安全」を実現してきました。
地域社会との繋がりを作るサステナビリティ活動を大切にされているんですね。
企業として、海岸清掃のラブアース・クリーンアップへの積極的な参加は勿論、2022年より唐津市の小中学校に当社の「アジナゲット」を無償で提供しています。また、「食育・環境」のための出張授業を行っており、これまで平原小学校・北波多小学校・小川小中学校 ・佐志小学校の5つの学校で実施しました。玄界灘で獲れた魚が「アジナゲット」になる工程や、加工時にでたガラ(残渣) を捨てずに魚の飼料として再利用されていることなど、資源を無駄にせず、循環させていく工程を子供達に伝えることで、地産地消やエコサイクルなどに少しでも興味をもってもらえたらと願っています。

最後に、シアター・エンヤへの応援メッセージをお願いします!
唐津で唯一の映画館ということもあり、弊社従業員やご家族の方々も、広くご利用頂いているようです。映画という総合芸術を通して、地域活性化に取り組み、文化を育て、次の世代へとつなげていくその姿勢に深い敬意を抱き、当社も協賛させて頂いています。これからも地域活性化の拠点、情報発信基地として、ますますご活躍されることを期待しております。
- 金子産業株式会社
金子産業株式会社
創業:1905年(明治38年)
設立:1987年(昭和62年)
資本金 :9,000万円
本社: 〒847-0192 佐賀県唐津市中瀬通1番地8
従業員数: 約500名
公式WEBサイト:http://m-kaneko.co.jp/
