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22年ぶりに復活した唐津の映画館「THEATER ENYA」映画の可能性を信じ、私達が描く未来のまちの姿


一般社団法人Karatsu Culture Commissionは、まちづくり会社いきいき唐津株式会社が立ち上げた「唐津シネマの会」が前身で、唐津に実に22年ぶりとなる映画館「THEATER ENYA」を復活させました。日々の映画館の運営を主に、監督を招いてのティーチイン、ショートフィルムコンペティション映画祭「演屋祭」などの活動をしています。

THEATER ENYA誕生の背景

現在日本の地方からは、映画館の姿が無くなりつつあります。その理由は、地方は人口減少が進み、また娯楽が多様化する中で、観客が減り映画館が成り立たなくなっているからです。唐津も例に漏れず、1997年に最後の映画館「東宝大劇」が閉館して以来、映画館のない町となっていました。

そんな中で、2011年にまちづくり会社のいきいき唐津による、商店街の来街者アンケート調査では、まちに欲しい機能や施設として「映画館、カフェ、本屋」という市民のニーズ調査結果が出ていました。

通行量が減少し、衰退を続けていた唐津のまちなかを活性化するというミッションのもと設立されたまちづくり会社として、何とか市民のニーズに答え、まちを豊かにする可能性を持つ映画館を復活させたいという想いで、定期的な上映会をする唐津シネマの会を2011年9月に発足させました。それから8年の年月を経て、念願だった映画館THEATER ENYAを開館させることができました。

困難な挑戦に挑み続けることができたのは、「こんな時代だからこそ、地方にとって、映画館は文化のインフラストラクチャーとして、地域活性化の起爆剤として必要である」という信念を強く持ち続けているからです。

地方にとって映画館は、文化のインフラストラクチャー


映画は、よく「総合芸術」と言われます。それは映画が、脚本、映像、演技、衣装、メイク、美術、装飾、照明、音楽、録音、編集・・・など、様々な技術やアートの集大成だからです。例えば、現代とは違うある時代を物語るとき、観客がそれを自然と受け止め感じることができるのは、その映像が、時代考察の上で脚本が制作され、衣装、メイク、言葉、風景などあらゆる要素がうまく調和し、その世界観の創造に成功しているからです。それぞれの要素の成熟度が高く素晴らしいとき、その物語は説得力を持ち、ありとあらゆる芸術がたどり着く「普遍的な美しさ、真実」を人々に訴えかけ、深い感動をもたらします。それは時を超え、国境を超え、文化を超え、人々の心に染み入ります。

一方で、映画はそうした多様性のある総合芸術の側面を持ちながら、老若男女が楽しめる、敷居の低いエンターテインメントでもあります。カジュアルな装いで、誰でも気軽に立ち寄ることができるのが映画館です。

人口が減少し、少子高齢化が進むまちからは、確実に文化、伝統、娯楽が減少し多様性に触れる機会が減少していきます。

そんな中、映画館という存在は、その町で暮らす人や訪れる人が、毎日好きな時に来て、文化芸術、娯楽を享受できる「文化のインフラストラクチャー」となり、人々が多様な考えに触れ豊かに暮らすクオリティーオブライフを支える存在となると、私達は信じています。

文化教育の場としての映画館


人口減少や少子高齢化が進む地方、特に大学などの高等機関がない地方では、文化芸術の担い手がいなくなり、若者がそれらを学び享受する機会は減少していきます。映画は、皆が楽しめるエンターテインメントでありながら、総合芸術やいろんな文化や価値観、視点を学ぶことができる文化教育的な要素も有しています。映画館は、そのような機会を若者に提供できる場とも言えます。

THEATER ENYAでは、文化教育的機会としての映画の鑑賞を、一人でも多くの学生の方が享受できるよう、年会費5,000円で映画を見放題の学生サブスクリプション制度を設置しています。経済的な理由に左右されることなく、より多くの若い人達が、映画館で映画を見る素晴らしさに触れ、映画館を身近に感じ、楽しみ学ぶ機会を提供できるよう、私達は佐賀県内の学生の皆さんへ大きなエールをおくります。

予防福祉の役割を果たす映画館


日本は、世界トップの長寿国です。長寿であることは、高齢者人口の増加とともに、独居老人といわれるひとり暮らしの高齢者の人口も増えていきます。今後人口の大半を占める高齢者が、いかに孤独ではなく健康で幸福に過ごすことができるかという課題は、日本全体が共有する課題です。

THEATER ENYAの一番多いお客様層は、中高年の皆様です。お友達と一緒に来られることも多く、「映画をきっかけで疎遠になっていたお友達と遊びに出るようになった」とおっしゃる方や、映画鑑賞後にカフェでおしゃべりに花を咲かせている風景を見かけます。

ここでは、映画館という存在が、良質な娯楽を楽しむ機会になるだけでなく、外出したり、友達に会ったり、また映画を鑑賞を通して人と語り合ったりするきっかけとなっています。

長寿大国日本ですが長生きの「質」が問われています。映画館は、中高年の皆さんが、外出をして社会との繋がりをもち、心身ともに健康になる予防福祉的な役割を担っていると、10年の活動を通して確かな手ごたえを感じています。

映画館を通した地域活性化を実現する

THEATER ENYA × 商店街

映画鑑賞は、映画の前にランチを食べる、映画鑑賞のためのドリンクを買う、映画鑑賞後にカフェを楽しむ、帰りにお買い物する、お土産を買うなど、消費活動が伴いやすい娯楽です。

このような消費活動が商店街全体に広がるよう、私達は地元の商店街の皆さんと一緒に「シアターエンヤ クーポン協力店」の取り組みを行っています。このサービスでは、映画を鑑賞後3日間、クーポン協力店のお店で、様々な特典を受けることができます。商店街ならではの多彩な特典で、しかも鑑賞後クーポンが利用できる期間は3日間と長く、映画鑑賞をきっかけに、商店街のまち歩きやお買い物を楽しんで頂くきっかけづくりを行っています。

映画祭を通した人材育成と文化の発信


2021年からは、佐賀県LiveS Beyondの支援により実現した映画祭「演屋祭」がスタートしました。演屋祭では、全国からショートフィルムを募集するアワードで、クリエイターの人材育成を応援しながら、唐津の地方創生に取り組んでいます。

第1回目は、2021年よりコロナ禍の中で、表現や発表の場が激減したクリエイターの皆さんの支援の思いを込めて発表の場をつくろうと、佐賀県Lives Beyondの支援を通して作品を公募し、発表の場として映画祭「演屋祭」を実現しました。

はじめての映画祭は、小さな公募だったにもかかわらず、多くの作品とクリエイターが集まり、地方の映画館が全国のクリエイターの皆さんと繋がり、その取組が全国に発信されました。励ますはずの私達が作品に励まされ、また地域の人々にとって、商業映画では触れることが出来ない多彩な作品を目にすることは、驚きと学びに繋がりました。

映画館は、地域の人達のための文化のインフラストラクチャーですが、映画祭は、全国に向けて映画の可能性を信じるクリエイターの皆さんへ発信でき、またクリエイターだけでなく地域の人々の成長の場にもなり、全国から人が訪れる地域の活性化に繋がる素晴らしい機会となると確信しました。

そうした体験から、映画祭を続け地域に根づかせたいと、第2回目からは、ゲスト審査員に映画監督を招き、クラウドファウンディングを行い、独自に映画祭を続けていけるように体制を整えました。

「唐津のまちには、素敵な映画祭があるんだよ」

そんな風に言ってもらえるような映画祭を、これからも地域の皆さんと一緒に育てていきたいと思います!


終わりに

私たちが描く未来は、映画館がまちに存在することで

いろんな人がいつでも多様で良質な娯楽を楽しめ、

若者が文化芸術を享受する機会が増え、

高齢者が楽しみや生きがいをもって暮らし、

地域の経済が潤い、

夢を持った人たちが挑戦する場を得て活躍していく姿です。

私達はこれらのビジョンを実現するために、日々の活動に取り組んでいます。そして、私達の活動が持続可能なものになるよう、THEATER ENYAでは、皆様からの様々な支援制度を構築しています。皆さまどうぞ応援よろしくお願いします!

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