スポンサー
法人スポンサー
06 Interview
ニッチな製造分野で、他の追従を許さない確かな技術と顧客第一主義によって世界にKARATSUブランドを発信するー株式会社唐津プレシジョン
100年以上の歴史をもち、唐津だけでなく日本の近代化に貢献し、グローバル企業として活躍する株式会社唐津プレシジョン。総務グループ吉田由美子さんにお話を伺いました。まずは貴社の沿革、会社のビジョンを教えてください。
明治42年(1909年)に創業者の竹内明太郎が、「工業は富国の基」という理念のもと、日本の工業発展を願い、自身が所有する芳谷(よしたに)炭坑(※)の機械をつくる付属鉄工所として唐津鐵工所、現「唐津プレシジョン」を立ち上げました。その後、大正5年(1916年)に独立して「株式会社唐津鐵工所」となり、平成28年(2016年)に設立100周年を迎えたのを機に、現在の「株式会社唐津プレシジョン」へと社名を変更しました。「プレシジョン」とは、「精密、製鋼」の意味があります。「精密機器を生産している会社」ということを社名で表すために、唐津プレシジョンという社名になりました。
当社は「用うるに利有るを作り、売るに利有るものを追わず」を理念にしています。お客様に利益があるものを作り、自分達が売って利益を出すことを追わないという意味で、「お客様第一主義」が創業当時からのモットーです。
※芳谷(よしたに)炭坑
明治時代に県内で最大の採炭量を誇った唐津市北波多にあった炭坑
創業者の竹内明太郎氏といえば、時の総理大臣吉田茂を弟にもち、日本初の自動車製造に成功し、小松製鉄所や早稲田大学理工学部などの設立に携わった歴史的人物ですね。主に生産している機械を教えてください。
創業当時から工作機械(機械を作るための機械)を専門とし、技術的にもこだわりを持って生産しています。特に、大型、超大型と言われる製品を得意としています。その分野に携わっている企業が少ないので、当社では他社が簡単にはできないような分野、つまりニッチな分野に対して戦略的に力を入れています。例えば発電所のタービンに組み込まれる軸や、船舶用のタンクシャフト用の軸など、この敷地内にある唐津工場で生産しています。また、オーダーメイドでゼロからの開発にも対応しています。
そうして私達のつくった工作機械は、国内外の重電機・製鉄・造船・自動車・建設機械・ロボット等、各種産業の有力メーカーで活躍しています。2014年には中国に支社も開設し取引先はますますグローバルになり、海外への売上シェアが多い時で4割にのぼります。取引先の相手国として、アジアの近隣諸国である中国・韓国から、遠くはメキシコやアフリカ、チェコなどにも輸出しています。当社の生産する機械は、「高精度・高効率・高剛性」であると高く評価していただき、“K A R A T S U”ブランドとして世界で認知されていると感じています。
信頼を得るモノづくりのために心掛けてらっしゃることは何ですか。
ひとつは「とことんモノづくりにこだわる、追及すること」を大事にしています。この100年、様々な時代の変化がありましたが、どんな時代にあっても、「何処よりも良い製品を心を込めて顧客に納める」ということを揺るがせることなく続けて来ました。それから、「人を大事にする」ということです。いくら技術が発達しても、最後は人の目で確認することが必要となります。どのようにその機械をつくるのか、また造ったものがきちんとできているか、人材が育たないと機械はつくれません。当社のモノづくりは一朝一夕でできるような内容ではなく、一人前になるまでに時間がかかりますので、社員一人一人の成長を会社がしっかり支え伴走しています。
今後の貴社の展望を教えてください。
最新技術であるAIやロボットなど新しい技術を取り入れていきたいと考えています。その背景には、今後労働人口が減っていく中で、会社がどのように技術を継承し、進化させ、モノづくりを続けていくかという課題があります。新しい技術を取り入れながら、一方でこれまで培ってきた昔からの技術も大事にし、温故知新の精神で新しいモノづくりに挑戦し続けたいと考えています。
グローバルに事業を手掛けながらも、地元の皆様とのつながりも大切にされていまね。
はい、地元の学校や「ゆめさが大学」とも連携し、インターンシップや工場見学を積極的に受け入れています。子供達への教育、生涯学習のシーンで、当社を知って頂き、また皆さん学びに少しでも貢献できればという思いです。また、技術者も含め唐津出身者や佐賀県出身者が多く、高校卒業で入社した社員の多くは唐津出身者で、県外の大学に行った社員も唐津にUターンで入社した社員が大半を占めます。ですので、自ずと唐津愛がある社員が多いと思いますね。
最後に、シアター・エンヤへの応援メッセージをお願いします。
法人スポンサーのチケットを使って、シアター・エンヤを訪れる当社の従業員がいて、「すごく雰囲気がいいのでまた行きたいね」と話を聞きました。またシアター・エンヤが入居するKARAEができたことで、街の雰囲気が明るくなり、綺麗になった気がします。何度も足を運ぶ従業員もいます。夕方の上映もあるので、会社帰りに観に行けるのも良いですね。良いリフレッシュになっていると思います。
私も子どもの頃に父と唐津で映画を観て楽しかった記憶があります。それから唐津のまちから映画館が無くなり、唐津で映画という文化に触れる機会が減りました。映画は観ることだけではなく、映画を観て楽しい時間を経験することが大事だと思いますので、その体験ができる映画館が唐津にまたできたことはとても嬉しいです。唐津の中心地にシアター・エンヤやKARAEが、これからもますます皆さんの憩いの場、交流の場となってほしいと期待しています。
- 株式会社唐津プレシジョン
株式会社唐津プレシジョン
創立:明治42年4月
資本金 :1億円
本社: 〒847-0861 佐賀県唐津市二夕子3丁目12-41
従業員数: 社員150名
公式WEBサイト:https://www.karats.co.jp/index.html