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2021.08.01(日)
『のさりの島』舞台挨拶&ティーチインレポート!!
平素よりシアター・エンヤをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
7月31日(土)に実施しました『のさりの島』山本起也監督による舞台挨拶&ティーチインのレポートです!
劇中で原知佐子さんが営む楽器店に置いてあった”自動精算箱”(原さん直筆の貼り紙付!)を片手に山本監督がご登場され、会場のお客様へご挨拶をいただきました。その後、当日はご参加できなかった主演の藤原季節さんからのメッセージ映像を上映しました。
主演の藤原さんはじめ、昨年1月に亡くなられ本作が遺作となった原知佐子さんやベテラン柄本明さん等キャスト陣に対し出演を個人的にお願いされたとのこと。オファーした時点では本作が初主演だった藤原さんとは「規模の小さい映画だけれど、人々の心に残る作品を作ろう」ということで意気投合されたようです。また、83歳であった原さんに対しては、真冬の天草での撮影であったためオファーを悩まれたようですが、原さんから「私やります!」と仰っていただけたので出演が決定したとのことです。
「本当」と「嘘」がモチーフになっている本作。目に見えるものだけが「本当」か「嘘」ではなく、私達が感じることによって世界が出来ていて、「嘘」をたどれば「本当」になり、またその逆も然り、まさしくメビウスの輪のように表が裏になることで世界が地続きになっており、そういう映画を作りたかったと話される山本監督。また本作は、「二重構造」になっているとも。つまり、作劇的に「嘘の孫」と「嘘のおばあちゃん」が「嘘」に足を踏み込むことで「本当の気持ち」になっていく過程を「俳優」が演じることで「二重の嘘」の映画になっているとのことです。
藤原さんと原さんは映画の中だけでなく、実際も本当の孫とおばあちゃんのような関係性になっていったようです。更に、原さんは藤原さんのことを既に役者として太鼓判を押されていたとのことです!共演シーンも多かった藤原さんと原さんですが、中でもお2人でクリームソーダを食べるシーンは監督が「ずっと見ていたい」という想いから、台本に書かれているシーンが終わっても撮り続け、そこからお2人の絶妙なアドリブが生まれ、それがそのまま使われることになったとの秘話が聞け、お2人の息の合った関係性が垣間見えました。
会場のお客様からの質問タイムでは、天草市ご出身のお客様から「紹介したい天草の魅力とは?」との質問がありました。監督は「天草は表面的には商店街も寂れ過疎化が進んでいるように見えるが、閉じられたシャッターの向こう側には表層では見えない何か違う価値があるのではないか、という気持ちで撮りました。映画を観た天草の皆さんから、”本当の天草という場所””本当の天草の人””本当の天草の心”というように、天草の精神が伝わる映画だった、と声を掛けられたことが嬉しかった。それが天草の魅了だと思う。」と答えられました。
他にもお客様からの質問では、ラストシーンが変更になった話や天草市出身の作家・石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの文章を劇中で使われたいきさつ等、興味深い話を聞くことが出来ました。
当初は昨年公開予定でしたが、コロナ禍で公開が延期となり満を持して今年公開となった『のさりの島』。オンラインでの公開の打診もあったようですが、お断りされたとのこと。「やはり映画は映画館で観て同じ空間にいる人たちと共有し体感するもの」だと力強いメッセージで舞台挨拶を締めくくられました。
上映後は、パンフレットや天草本を購入されたお客様へサインのサービスや写真撮影に快く応じてくださいました。
『のさりの島』は8月12日(木)までシアター・エンヤで上映予定です。
パンフレット(800円)も天草の魅力たっぷりの天草本(1,430円)も絶賛発売中です!数量限定で、山本監督のサイン入りパンフレットもあります。
山本起也監督、そしてご来場のお客様、お忙しいところご参加いただき誠にありがとうございました。
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