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2026.02.14(土)
映画『⼿に魂を込め、歩いてみれば』トークイベントレポート!!
2月14日(土)に開催しました『⼿に魂を込め、歩いてみれば』トークイベントのレポートです! 本作品の配給会社であるユナイテッドピープル株式会社 代表取締役の関根健次さんにご登壇いただきました。
▼『⼿に魂を込め、歩いてみれば』作品紹介
イスラエルによるガザ攻撃が続いていた2024 年、イラン出⾝の映画監督セピデ・ファルシは、緊急に現地の⼈々の声を届ける必要性を感じていた。しかし、ガザは封鎖されており⾏くことは出来ない。そこ で、知り合ったガザ北部に暮らす24歳のパレスチナ⼈フォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナと のビデオ通話を中⼼とした映画の制作を決意する。
以後、イランからフランスに亡命したため祖国に戻れない監督と、監督の娘と同じ年齢で、ガザから出られないファトマとのビデオ通話が毎⽇のように続けられた。そして、ファトマは監督にとってガザを知る⽬となり、監督はファトマが外の世界とつながる 架け橋となり、絆を築いていく。ファトマは空爆、饑餓や不安にさらされながらも⼒強く⽣きる市⺠の姿や、街の僅かな輝きを写真に収め、スマホ越しにガザの様⼦を伝え続けた。そして悲劇はファトマをも襲う。2⼈が交流を始めて約1年後の2025 年4 ⽉15 ⽇、本作のカンヌ映画祭上映決定 の知らせを、ファトマは喜んだが、その翌⽇、イスラエル軍の空爆でファトマを含む家族7⼈が殺され てしまったのだ。25歳になったばかりのファトマの死は、本⼈が「もし死ぬのなら、響き渡る死を望む」 と書いたように、世界中に波紋を広げることになる。
「僕をここから連れ出して。お願い、日本へ連れて行って。」
ガザの難民キャンプを歩いていた時に、一人の小さな男の子が僕のところに駆け寄ってきて、シャツの裾をぎゅっと掴んで、泣きながらこう言ったんです。その子の目は、冗談ではなく本気でした。でも僕は、その子の手を振り払ってしまったんです。あの時、振り払った手の感触、そして泣き叫ぶ彼の声が、今も僕の心から離れません。その激しい罪悪感と、突きつけられた不条理。それが、僕の『存在のきっかけ』になりました。
たまたま日本に生まれただけで、自分は自由を享受している。ならば、この命を何に使うべきか?――この時、関根さんの心に「ガザの少年との約束(彼らの声を世界に届けること)」が、自身の存在意義として深く刻まれたのです。この映画を配給することは、私にとって、あの日の少年の手を、もう二度と離さないための闘いでもあるんです。
映画配給という「平和への提案」
IT企業を経て「ユナイテッドピープル」を設立。関根さんは、募金や支援だけではない、「映画による意識の変革」という道を選びました。ニュースで流れる数字としての死ではなく、スクリーンを通して、そこにいる『人間』と出会ってほしい。映画というメディアなら、ガザの少年や、本作のファトマが抱いた「夢」や「愛」を、観客が自分のこととして感じられるからです。本作『手に魂を込め、歩いてみれば』を配給することは、関根さんにとって、あの時ガザで出会った少年への、そして命を落としたファトマの魂を世界中に「響かせる」ための共同作業なのです。
私たちは今、ファトマの友だちになった
「寄り添ってくれるだけでいい」というファトマの言葉に応えること。そのために「知る」ことをやめない。知るということは、単に情報を得ることではありません。彼女がジブリの曲を聴き、日本語を話し、リンゴを欲したお母さんがいたという「日常の断片」を知ることです。「ガザの人」という大きな括りではなく「一人の友人」として知ったとき、人はその相手に爆弾が落ちることを容認できなくなります。 これが、関根さんの考える「平和への第一歩」です。
もし、あなたが「自分に何ができるだろう」と無力感を感じているのなら、まずは劇場へ足を運び、彼女の瞳を見つめてください。あなたが彼女を「知る」こと。その関心の第一歩が、ガザの空の下で今も生き抜こうとしている誰かの、明日への希望へと繋がっていきます。
上映は2/19まで続きます。まだご覧になっていない方は、ぜひ劇場で、彼女が生きた証を、その魂の響きを、あなたの心で受け止めてください。
上映スケジュールはコチラです。
現在、当館では「ガザの現状を知る、2つの視点~ドキュメンタリー特集」を行っております。
詳しくはコチラ
関根健次さん、ご来館のお客様、ご参加いただきありがとうございました。

