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2024.01.15(月)

イベント

『クモとサルの家族』舞台挨拶レポート!!

平素よりシアター・エンヤをご愛顧いただき誠にありがとうございます。

1月14日(日)に実施しました『クモとサルの家族』舞台挨拶のレポートです!長澤佳也監督にご登壇いただきました。

▼『クモとサルの家族』作品紹介
江戸時代初期。椿藩と火ノ藩の中立地帯にある森の中に暮らす家族がいた。家長のサルは元忍び。天下泰平の 時代となり仕事もなく主夫として家庭を守っている。妻クモは他国から声が掛かる売れっ子忍び。仲介人を介して働く妻の稼ぎがこの家族の生命線だ。今は四人の子どもたちと暮らしている。ある日、国境沿いにある禿山峠に一人の老人が迷い込み、峠には天狗という凄腕の狙撃手が火ノ藩から派遣されていた。老人を発見したサルの子どもたちは危険をかえりみず救出作戦を実行する。助け出された老人は、サルの家に留まることに。クモの調べで、この老人が姥捨など厳しい政策を敷いてきた椿藩藩主の貴虎とわかる。火ノ藩が貴虎にかけた莫大な懸賞金を求めて、賞金稼ぎたちが襲いかかる。退路を断たれたサル一家は椿藩に入る唯一の経路で、天狗の狙撃と傭兵の追撃の板挟みとなる。老人を救うと決めたサル一家の運命は…。

映画本編の前に、出演と主題歌を担当された佐賀県出身の芸人・どぶろっくさんの特別コメント映像を上映。こちらはなんとシアターエンヤだけの特別バージョン!本日の聞き手を務めました甲斐田館長も大変感動しておりました。

『クモとサルの家族』は2019年の夏と秋に撮影された、長澤佳也監督オリジナル脚本、そして初監督作品です。今作を制作するきっかけを長澤監督にお聞きました。
「50歳になるにあたり『やり残したことはないか』と思い、プロデューサーを長年務める中でふつふつと湧いていた『自分も監督として映画を作ってみたい』という気持ちに向き合い、今回自主制作でチャレンジした」とお話しいただきました。

長澤監督は自動車業界から32歳で映画業界へ転身した経歴をお持ちです。この異色の経歴について伺いました。
「もともと航空宇宙を学んでいたが、航空関連の会社には入れず、自動車の会社へ就職した。求人広告を見て映画業界への転職を考えた。不安定な職業・結婚して子供もいて周囲の反対もあったが、妻が後押ししてくれた」と振り返りました。
その際には「その代わり『わたしは働かないから』」と、今作の台詞のきっかけとなる言葉で釘を刺されたそうです。

本作の主人公は、名バイプレーヤー・宇野祥平さんです。キャスティングについてお伺いしました。
「宇野さんはアイドルのような存在。映画『俳優 亀岡拓次』を観て、宇野さんを主役に映画を作りたいと思い、当て書きで脚本を書いた」と語りました。
奥田瑛二さん・白石加代子さん・仲村トオルさんなど豪華俳優陣については、
「プロデューサーとして働いて貯めてきたポイントを使って(笑)、出演していただきました」と話しました。

お客様との質疑応答では様々な質問が挙がりました。
サル・クモ・犬など、個性的な役名についての質問で監督は、
「最初は役にイメージをつけるためにアニメや漫画のキャラクターを当てていき、そのイメージのまま名前を付けていったら自然とこうなった。直感とビジュアルで名付けていった」とお答えいただきました。

吹替・アフレコについての質問では、
「今作は35mmフィルムで撮影した。どうしてもフィルムを回す音が入ってしまうため、声はすべてアフレコで制作した。子役はアクションができる中国の子をキャスティングしたため、古き良き香港アクション映画のような吹替も楽しんでいただければ」と話されました。

オープニングの壮大な景色のロケ地についての質問では、
「姥捨て山のシーンは富士山5合目で撮影した。一見過酷な環境に見えるが、裏はすぐ駐車場になっていた」とこぼれ話も。

舞台挨拶後、パンフレットご購入の方にサインをいただきました。

甲斐田館長が「『楢山節考』から『暴れん坊将軍』まで様々な作品を想起させつつも、観たことがないような全く新しい映画体験」と評する『クモとサルの家族』。
シアターエンヤでは1/18(木)までの上映です。
長澤佳也監督監督、そしてご来場のお客様、ご参加いただき誠にありがとうございました。

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