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2024.05.20(月)

イベント

佐賀映画制作プロジェクト『つ。』舞台挨拶レポート!!

平素よりシアター・エンヤをご愛顧いただき誠にありがとうございます。

5月19日(日)に実施しました佐賀映画制作プロジェクト『つ。』舞台挨拶のレポートです!
Ü Inose監督、主演の山下万希さんにご登壇いただきました。

▼作品紹介『つ。』
佐賀県の⽚⽥舎に住む⾼校三年⽣、副島祐樹は⼤学受験を控え、上⼿くいかない⼈間関係や成績不振、出来の良い弟と⽐較される⽇々に悶々と焦りを募らせていた。そして迎えた⼤学⼊学共通テストでカンニングしたことがバレた祐樹は、全てを捨てて深い森へと逃げ込む。そこで出会ったのは、⾃⼰責任の名の下に、押し付けられたルールのない世界で⽣きるために川の⽔を汲んで運び、⼭の獣を狩って⾃給⾃⾜の暮らしを営む数奇な⼈々のコミュニティ。⽋陥だらけで変⼈揃いの曲者たちとの共同⽣活を通して、祐樹に少しずつ変化が⾒られていく。

『つ。』は、2023年11月に開催しました唐津初の国際映画祭「唐津ライジングサン国際映画祭」で上映されました。その時は別会場での上映でしたので、今回シアターエンヤでは初の上映となりました。

Ü Inose監督は、「“あの1つの動き/1つのセリフ/1つの表情が忘れられない”、そんな印象を与えられたらと思って作りました。どこか1つだけでも心に刺さったらいいなと思います」と話されました。

『つ。』というタイトルに込めた思いをÜ Inose監督にお聞きしました。
「『つ』は佐賀・熊本・長崎の一部でしか伝わらない方言で、『かさぶた』のことです」と、タイトルの意味をご説明。続けて、「私はこの映画を“青春映画”だと思っています。キラキラしたものだけが青春ではなくて、逃げたり、ボロボロになって失って、自分が何者でもないことに気づく。それこそが青春である。傷ついたときに、傷を覆い治していくのが『かさぶた』。意思とは関係なく傷を覆い、<生きろ>とメッセージを送る『かさぶた』を、傷ついた主人公と重ねてタイトルをつけました」と話されました。

主演の山下万希さんは演劇で活動されており、今作が映像作品初出演となりました。出演の感想をお聞きしました。
「台本をもらって、まずは佐賀弁を身につけることからはじめました。佐賀出身の友人に方言の指導をしてもらいました」と振り返りました。主人公・祐樹を演じるにあたっては、「数カ月間リハーサルをして、しっかり役作りしました。今観ると『ここはこうしておけば…』と思うところもありますが、19歳当時の自分の出せる力で、精一杯演じました」と話されました。

今作『つ。』は、佐賀映画制作プロジェクトと銘打って、キャスト・スタッフ・ロケ地すべて佐賀で制作されました。そこに込めた思いをÜ Inose監督にお聞きしました。
「停滞しているように見える今の日本映画界で、どこかで新しいことをしないといけないと思っていました。撮影スタッフを東京から連れてくるのではなく、佐賀でスタッフを集めました。学生にも現場に入ってもらって体験させています。主演の山下さんも、実は大学の食堂でスカウトしました。今回の映画制作がきっかけで映画の道を考える人が出てくれば、地域にとっても素晴らしいことだと思います」と話されました。また、「佐賀だけで映画が出来たので、他の県でもできるはず。このような地域映画がどんどん生まれれば、日本全体が活性化していく」と語られました。

お客様との質疑応答では、「海外の映画祭で、どのような反応がありましたか」と質問が挙がりました。Ü Inose監督は、「仏教の世界とリンクするところがあるのか、ネパールの映画祭では反響がありました。逆に無反応の国もあったり、映画の捉え方が各国異なっていて面白かったです」と話されました。

最後にお二人に今後の展望や活動予定をお聞きしました。
Ü Inose監督は、「オール佐賀で映画制作が出来ることを証明しました。なので、ここにいるどなたかにをオール佐賀映画第2弾を作ってほしいと思います。第2弾、第3弾と作って、佐賀を盛り上げてほしい」と話されました。
山下万希さんは「私は演劇を頑張っていきたいと思います。NHK佐賀の『SAGA SOUL―さが魂―』でナレーションを担当していますので、よろしくお願いします」と話されました。

地域映画の新しい可能性を感じさせる映画『つ。』は、シアターエンヤでは5/23(木)までの上映。
Ü Inose監督、山下万希さん、そしてご来場のお客様、ご参加いただき誠にありがとうございました。

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