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2023.05.06(土)

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『とべない風船』ティーチイン舞台挨拶レポート!!

平素よりシアターエンヤをご愛顧いただき誠にありがとうございます。

5月5日(祝・金)に実施しました『とべない風船』ティーチイン舞台挨拶のレポートです!宮川博至(ミヤガワ ヒロユキ)監督にご登壇いただきました。

▼『とべない風船』作品紹介
陽光あふれる瀬戸内海の小さな島。数年前の豪雨災害で妻子を失って以来、自ら孤立している漁師の憲二(東出昌大)は、疎遠の父(小林薫)に会うために来島した凛子(三浦透子)に出会う。凛子もまた、夢だった教師の仕事で挫折を味わい、進むべき道を見失っていた。凛子は島の生活に心身を癒されていくが、憲二の過去を知って胸を痛める。最初は互いに心を閉ざしていた二人は、あたたかくてお節介な島の人々に見守られ、少しずつ打ち解けていく……。
甚大な自然災害によって、あるいは人間関係の小さな綻びによってもたらされる喪失を抱えながら、私たちはどのように生きていくのか—。悲しい出来事が起きたその場所で暮らし続けるとはどういうことなのか—。豪雨災害からの復興が進む瀬戸内海の島を舞台に、恋人でも家族でもない一組の男女のぎこちなくもやさしい交流を通して、傷ついた心の癒しと再生を描く。

宮川監督は2021年に中編映画『テロルンとルンルン』の舞台挨拶でシアターエンヤにお越しいただきました。レポートはコチラ
今回が2度目の舞台挨拶となります。おかえりなさい!(シアターエンヤTシャツご着用ありがとうございます!)

『とべない風船』は、傷ついた人々が少しずつ再生していく様子を美しく丁寧に描かれた映画です。今作を制作するきっかけを聞きました。
「教職で心を病んでしまった友人がいたこと。広島県江田島に移住促進関係の仕事で行ったときに、終の棲家として江田島を選び移住する人が多かったこと。2018年の西日本豪雨を語り継ぐ映像作品があまり作られていないこと。色々なきっかけがあってこの作品を作った。」
「西日本豪雨については、ひとつ違えば自分も死んでいたかもしれない。広島に住んでいるから、あの日あの場所にいた自分だから作れる映画があるのではないか、という思いがあった」とお話しいただきました。

『とべない風船』は宮川監督にとって初の長編作品で、実力派キャストが出演されています。キャスティングについてお聞きしました。
「『テロルンとルンルン』出演者から繋いでもらって、東出昌大さん・三浦透子さんを紹介してもらった。小林薫さんは当て書きしていた」と語られ、「俳優部が皆、映画という総合芸術に対するリスペクトを持っていると感じた。楽しい現場だった」と振り返りました。

印象的な雨のシーンについて。
「地元の消防団に協力してもらい、撮影した。使える水量が限られているので、皆で集中して乗り切った」と語られました。
ここ唐津で撮影した『花筐/HANAGATAMI』も同じように消防団の協力で雨のシーンを撮影しました。こうした地元の方々の協力について監督は「消防団の方もそうだし、漁師の方々にも、本当に色々協力していただいた。”皆で映画を作っている”という一体感があった」と振り返りました。

監督は広島在住で映像作品を制作されています。東京や大阪ではなく、出身地である広島で制作することについてお聞きしました。
「役者がやりたい/映画監督になりたいという人は東京に出てしまう。そうすると地方に人材がいなくなって、衰退していくのが目に見えている。広島で映画を作ることで、東京の役者やスタッフを広島に呼べる。広島の若い役者やスタッフがそれを見て学んでほしい。そうやって次の世代に繋げていければと考えている」と語ってくれました。

お客様との質疑応答では、「映画を観て、作風からベテランの監督を想像していた。若い監督でビックリした」と声が挙がりました。これについて監督は「今作は西日本豪雨の被害にあわれたご老人方にも観ていただくことを考えた。『幸福の黄色いハンカチ』を始めとする、古き良き日本映画を意識した作品にした」と話されました。

そのほか、「心の強いヒーローが人々を救う話はよくあるが、それぞれ傷を抱えた人同士が少しずつ再生されていくところが良かった。素晴らしい作品で、次回作にも期待している」という声や、「浅田美代子さんには赤い風船を持っていてほしかった」などの感想が挙がり、大いに盛り上がりました。


舞台挨拶後、パンフレットご購入の方にサインをいただきました。

『とべない風船』は5/11(木)までの上映です。
宮川博至監督、そしてご来場のお客様、ご参加いただき誠にありがとうございました。



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